建築士として働くためには、国家資格が必要です。3種類の国家資格があり、それぞれ扱うことができる建物の種類や規模が変わります。その中でも、木造のスペシャリストである「木造建築士」について解説します。
木造建築士とは
名前の通り木造建築士は、木造建築に関わるスペシャリストです。木造建築士として働くには、国家試験に合格し、国土交通省によって定められている免許を取得する必要があります。扱うことができる建物は、以下のように制限されています。
・階数が2階建て以下
・延べ床面積が300㎡以下
・木造建築物
そのため、鉄筋コンクリート造やコンクリート造の建物を扱うことができません。その分、木造建築に特化した専門的な知識を求められます。では、具体的にはどのような場所で働くのでしょうか?
就職先
・木造建築に強い企業で働く
一般的な就職先としては、工務店や建設会社です。中でも、木造建築を強みとする企業であれば、資格を活かすことができます。依頼を受けた建築物の設計や図面作成、工事管理などを担当します。小規模な企業であれば、より幅広い業務を担当して経験を積むことができるでしょう。
・リフォーム会社で働く
リフォーム業者は、建築士の資格がないと働けないというわけではありません。しかし、依頼側としては安心できるリフォーム会社に任せたいので、信頼を得るために建築士を必要とする企業は多いです。単にきれいにリフォームするのではなく、建築士の視点からみて長く持つようなリフォームが提案できるでしょう。中でも、木造住宅のリフォームに特化した会社であれば、より木造建築士としての知識を活かすことができます。
・宮大工として働く
木造建築士としての資格を活かすことができる仕事として、宮大工があります。宮大工とは、一般的な大工では扱うことができない歴史的な建造物の、建築や修繕を取り扱う職業です。例えば、皆さんご存じの京都の清水寺や東京都の法隆寺など、日本の誇る文化財を守るのも宮大工の仕事です。日本の伝統を守っていきたい人、歴史が好きな人に向いているでしょう。
資格を得るには
働くことができる場所についてお伝えしましたが、前述のように木造建築士は国家資格の一つです。木造建築士の資格を得るには、まず国家試験を受けるための資格を満たさなければいけません。受験資格を得るには、定められた範囲の実務経験を7年以上積むか、教育機関で指定の学科を修め卒業する必要があります。建築系の高校の場合は、卒業だけでなく実務経験が必要です。
まとめ
木造建築士についていかがでしたか?木造建築士を目指したいという場合は、教育機関で学ぶというのが一般的なルートです。建築系の短大や大学という選択肢もありますが、専門学校であれば、より実践的な経験を積むことができます。例えば、浅野工学専門学校では、1年次から実習の授業があり、即戦力になれる力が身に付きます。オープンキャンパスや授業体験を通じて、自分に合った専門学校を探してみましょう。